料金改定を、全部は自動にしませんでした

19社の料金を扱う会社が、どこを機械に任せて、どこを人に残したか

通信の料金は、よく変わります。

しかも各社バラバラのタイミングで変わります。新しいプランが出る、条件が変わる、キャンペーンが終わる。当社は19社分を扱っているので、どこかが必ず動いています。

この対応を、仕組みで回しています。ただし、全部を機械には任せていません。

どこを機械にして、どこを人に残したのか。その線引きの話を書きます。

本当にきついのは、直すことではありませんでした

最初、私たちは「直す作業」を減らそうとしていました。

料金表を直す。ページを直す。説明の資料を直す。この作業を速くすれば楽になると考えていたのです。

違いました。

実際にきつかったのは、そこではありません。

「今月、どこが何を変えたのか」を知ることでした。

直す作業そのものは、分かってさえいれば終わります。ですが、変わったことに気づかないと、そもそも直せません。そして気づくためには、各社のお知らせを定期的に見て回るしかありません。

19社分です。

しかも一番怖いのは、見落としたときに、自分では気づけないことです。間違った料金をそのまま載せ続けて、お客さまに指摘されて初めて分かる。

だから、機械には「気づく」役だけをさせました

いま動かしているのは、こういう仕組みです。

週に一度、通信業界のニュースを機械が読みます。その中から「料金が変わりそうな話」を拾います。

それだけでは、よくある業界ニュースの通知と変わりません。埋もれます。

そこで、自分たちのデータベースと掛け合わせています。

当社の料金データベースには、各プランごとに「最後に公式を確認した日」を持たせてあります。この日付が古い会社ほど、情報がずれている可能性が高い。

「改定のニュースが出ている」×「しばらく確認していない」

この2つが重なった会社を、優先度をつけて知らせます。

届くのは、こういう一言です。

今週、公式を確認したほうがよい会社:◯◯、△△

書き換えまでは、自動にしませんでした

ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。

機械が「変わったようだ」と言ってきても、料金データそのものは書き換えません。人が公式ページを見て、確かめてから直します。

理由は単純です。

ニュースから拾う以上、機械は間違えるからです。

「値下げへ」という見出しでも、実際は一部プランだけだったり、まだ発表されていなかったりします。それを信じて自動で書き換えると、間違った料金が、そのままお客さまに表示されます。

比較メディアにとって、これは一番やってはいけないことです。

だから線を引きました。

機械にやらせること
気づくこと。そして「ここを見てください」と言うこと
人が残ること
確かめること。そして直すと決めること

コードにも、当時そう書いてあります。「誤検知でも本番料金は壊れない」ように作る、と。

何が変わったか

この形にして、変わったのは探しに行く時間でした。

以前は、自分から19社を見て回っていました。しかも見て回ったところで、何も変わっていない週のほうが多い。それでも見ないと不安なので、見に行く。

いまは、知らせが来た会社だけを見ます。

直す作業は残っています。減っていません。でも「見落としているかもしれない」という状態が消えました。これが一番大きかったところです。

同じ構造は、たぶんそちらにもあります

店舗を運営されている方なら、似たことをされていると思います。

改定のたびに、店頭の料金表を直す。ご説明の資料を差し替える。サイトの料金ページを直す。扱っている会社が多いほど、これが増えます。

そして、たぶん一番の負担は直すこと自体ではなく、「今月どこが変わったか」を自分で追いかけている部分ではないでしょうか。

そこは、機械に任せられます。

そして、直す判断は人に残しておいたほうがいい。私たちはそう考えて、そう作りました。

読んでくださった方へ

自動化というと「全部が勝手に回る」ことだと思われがちです。

私たちの経験では、うまくいくのは逆でした。

間違えたときに困るところほど、人が最後に見る。機械にやらせるのは、その手前の「気づく」ところまで。それだけで、負担の大半は消えます。

そして気づけない状態は、気づけるようにしないと、いつまでも気づけません。当たり前のようですが、ここに手を入れている会社は多くありません。

当社は、自社で先に作って動かしてから、お客さまにお持ちしています。この仕組みも、まず自分たちで使っているものです。

株式会社PlusPass 代表取締役 平井 雄大